「パソコンが急に起動しなくなった」「ノートパソコンの液晶画面を割ってしまった」…
そんな時、まず気になるのが「修理に一体いくらかかるのか?」ということですよね。
修理費用は症状や依頼先によって大きく変動するため、相場を知らないまま依頼すると損をしてしまう可能性もあります。
この記事では、2025年の最新情報に基づき、パソコン修理の料金相場を以下の点から徹底的に解説します。
- 主要な症状別(液晶割れ、起動しない等)の詳しい料金相場
- 持ち込み・宅配・メーカー修理の価格差とメリット・デメリット
- 見積もりから追加費用が発生するケース
- データ復旧費用の目安
この記事を読めば、あなたのパソコンの症状に合った適切な修理方法と費用の目安がわかります。
⚠️ 修理料金の「総額」に注意!
パソコン修理の料金は、主に「①診断料」「②作業料金(工賃)」「③部品代」の合計で決まります。Webサイトで「作業料5,000円~」と安く書かれていても、部品代が別途数万円かかり、総額では高額になるケースが多々あります。必ず「部品代込みの総額見積もり」を確認しましょう。
パソコン修理の料金相場(症状別解説)
パソコン修理の料金は、故障箇所、機種(デスクトップかノートか)、交換部品の入手性によって大きく変動します。ここでは主要な症状別に、専門業者に依頼した場合の相場と、メーカー修理の目安を比較します。
1. 液晶割れ・画面のトラブル
ノートパソコンで最も多い故障の一つが液晶パネルの破損です。他にも、バックライトの故障(画面が暗い)、接続ケーブルの不良(画面が映らない・乱れる)などがあります。
専門業者の相場
総額:15,000円 〜 40,000円
(作業費・部品代込み)
作業費のみ:
8,800円~16,500円(+ 部品代)
特徴:
メーカー修理の半額から1/3程度の料金で修理できるケースが多いです。ただし、使用する部品は純正品ではなく互換品になる場合があります。
メーカー修理の目安
総額:70,000円 〜 100,000円超
(例:富士通 10型以上ノートPC 76,780円~)
特徴:
純正部品を使用するため安心感がありますが、費用は非常に高額になる傾向があります。特に海外メーカーや高性能モデル(MacBookなど)は高額です。
【詳細情報】
- 専門業者の価格帯:
- 「くらしのマーケット」の相場では、液晶パネル割れの費用は¥14,000〜¥16,000/台とされていますが、これは作業費用の目安の可能性があり、部品代が別途かかります。
- 別の専門業者では、総額で約3万円~約7万円が目安と提示されています。
- 作業料金が5,500円~と安価な設定でも、部品代を含めた総額では20,000円程度はかかると想定されます。
- バックライト/インバーター交換:
液晶パネル自体でなく、画面を照らす部品の交換の場合、15,000円〜25,000円程度が相場です。
2. 起動しない・電源が入らない
「電源ボタンを押しても反応がない」「ロゴ画面から進まない」といった症状です。原因は、電源ユニット、基幹部品(マザーボード)、記憶装置(HDD/SSD)の故障、またはWindowsなどの基本ソフト(OS)のデータ破損など多岐にわたります。
(簡易診断)起動しない原因の切り分け
→ 電源ユニット、電源ケーブル、マザーボード故障の可能性
→ OS(システム)の不具合、HDD/SSD故障、メモリ故障の可能性
【修理費用の相場】
| 症状・作業内容 | 専門業者の相場(作業費) | メーカー修理の目安(部品代込) |
|---|---|---|
| OS修復 / システム復旧 | 15,000円〜25,000円 | (データ初期化が前提の場合が多い) |
| 電源ユニット交換 | 9,000円〜17,000円(+部品代) | 30,800円〜42,680円(富士通/NEC) |
| マザーボード交換 | 10,000円〜20,000円(+部品代) | 40,000円〜90,000円(HP/富士通/NEC) |
【詳細情報】
- OS修復:
- 「PCホスピタル」の場合、「正常に起動しない状態からの復旧」作業料金が22,000円(別途基本料金8,800円)で、合計33,000円が目安です。
- 「パソコンドック24」では、「OSを初期化せず修復」が15,400円~となっています。
- 重度故障(マザーボード等):
マザーボードはパソコンの「背骨」にあたる最も重要な部品であり、交換には高額な部品代(数万円)が加わります。メーカー修理では9万円を超えることも珍しくありません。
3. 動作が遅い・フリーズする
原因は、記憶装置(HDD/SSD)の劣化、メモリ不足、ウイルス感染、不要なソフトウェアの蓄積などが考えられます。
動作が遅い時の主な原因
- 記憶装置(HDD)が劣化している
- メモリ容量が不足している(4GBなど)
- 不要なソフトが裏で動いている
- ウイルスに感染している
- OS(Windowsなど)のシステムファイルが破損している
【修理費用の相場】
- システムクリーンアップ:11,000円〜15,000円
- 不要なファイルの削除や設定の見直しを行います。
- 「PCホスピタル」では、作業料金6,600円(別途基本料金8,800円)で、合計17,600円が目安です。
- SSD換装(高速化):15,000円〜30,000円(部品代込み)
- 最も効果的な対策です。従来のHDDから高速な部品(SSD)に交換(クローン作業含む)することで、起動や動作が劇的に速くなります。部品代込みで2万円台から提供している業者もあります。
4. ウイルス感染
「偽の警告画面が出る」「身代金を要求される(ランサムウェア)」など、悪意のあるプログラム(ウイルス)に感染した状態です。
💡 ウイルス感染は「家に泥棒が入る」こと
ウイルス感染は、家に泥棒が入った状態に似ています。「駆除(泥棒を追い出す)」だけでは安心できません。どこかに「隠しカメラ(スパイウェア)」を仕掛けられていないか、あるいは「合鍵(バックドア)」を作られていないか、徹底的に調査する必要があります。安価な駆除サービスは、泥棒を追い出すだけで終わってしまうかもしれません。
【修理費用の相場】
- ウイルス駆除:8,000円〜15,000円(作業費用相場)
- 「デジタルドック」では駆逐のみで6,600円。
- 「PCホスピタル」では作業料金8,800円(別途基本料金8,800円)で、合計19,800円が目安です。
- 重度の感染:
システム深くまで感染している場合、駆除が困難で、OSの再インストール(初期化)が必要になることもあります。その場合、データ復旧費用が別途発生する可能性があります。
5. データ復旧・救出
データ復旧費用は、障害の程度によって費用が大きく変動します。ここが最も高額になりやすいポイントです。
💡 障害レベルの違い:「設計図」と「家」の例え
データ障害には大きく分けて2種類あります。
- 論理障害(軽度〜中度):家(HDD/SSD)は無事だが、設計図(データ管理情報)が壊れてどこに何があるか分からなくなった状態。設計図を修復すればデータを取り出せます。
- 物理障害(重度):家自体が火事や地震で物理的に壊れた状態。クリーンルームという特殊な設備で部品を交換し、データを救出する必要があり、費用は一気に跳ね上がります。
【修理費用の相場】
| 障害のレベル | 症状の例 | 専門業者の相場 |
|---|---|---|
| 論理障害(軽度) | OSが起動する状態で、誤ってデータを削除した | 19,000円〜30,000円 |
| 論理障害(中度) | OSが起動しない状態からのデータ救出 | 30,000円〜55,000円 |
| 物理障害(重度) | 「カチカチ」と異音がする、水没させた | 100,000円〜300,000円以上 |
【詳細情報】
- 「PCホスピタル」では、論理障害軽度(OS起動状態)でのデータ復旧作業料金が22,000円(別途基本料金8,800円)で、合計33,000円が目安です。
- 「パソコンドック24」では、論理障害のレベルに応じて31,900円~52,800円と設定されています。
- 重度の物理障害が発生した場合、パソコン修理業者ではなく「データ復旧専門業者」への依頼が推奨されますが、費用は非常に高額になります。
📚 参考情報
料金体系は業者によって大きく異なります。詳細な料金は、各社の公式サイト(例:PCホスピタル、パソコンドック24など)で最新情報をご確認ください。
持ち込み修理と宅配修理の価格差、メーカー修理との比較
修理を依頼する方法は大きく分けて3つあり、それぞれ費用とサービス内容が異なります。
1. 持ち込み修理 vs 宅配修理
専門業者に依頼する場合、店舗に直接持ち込むか、配送業者(宅配)で送るかを選べます。
持ち込み修理
メリット:
① 送料や出張費がかからず、費用を最も抑えやすい。
② 簡易トラブルなら即日修理が可能な場合がある。
③ 業者と対面で症状を詳細に相談できる安心感がある。
デメリット:
店舗が近隣にないと利用できない。
宅配修理
メリット:
全国どこからでも依頼できる。
デメリット:
① 往路の送料は自己負担となる場合が多い。
② 修理キャンセルの場合、返送料も自己負担になる。
③ 配送時間がかかるため、修理期間が長くなる。
④ 代引き手数料(例:2,200円)が別途かかる場合がある。
【価格差の例】
「PCホスピタル」の料金体系では、出張/宅配サポートの場合、基本料金8,800円に加えて、出張料金/宅配料金として2,200円が追加されます。持ち込みの場合はこの追加料金がかかりません。
2. メーカー修理 vs 専門修理業者
修理依頼先として最も大きな選択肢が「メーカー」か「専門業者」かです。
メーカー修理
費用:高額
部品:純正部品(安心)
期間:長い(1週間~1ヶ月)
データ:原則初期化される
対応:宅配のみが多い
専門修理業者
費用:安価(メーカーの半額~1/3)
部品:互換部品の場合あり
期間:迅速(最短即日~数日)
データ:保護しながら修理可能
対応:持ち込み、出張、宅配
⚠️ メーカー修理はデータが消えます!
メーカー修理の最大の注意点は、データが原則として初期化(工場出荷状態)されることです。大切な写真や書類がある場合は、必ず専門業者に「データを消さずに修理したい」と相談してください。
【保証に関する注意点】
購入から1年以内の保証期間内であっても、専門業者で一度分解・修理を行うと、メーカーの保証は無効になってしまう点に注意が必要です。
📚 参考情報
メーカー修理の概算料金は、各社の公式サイト(例:富士通、NEC、HPなど)で公開されています。ご自身の機種と症状を照らし合わせて確認することをおすすめします。
見積もりから追加費用が発生するケース
「最初の見積もりは安かったのに、後から高額な追加請求をされた」というトラブルは避けたいものです。信頼できる業者は、追加費用が発生する前に必ず連絡と承認を求めますが、以下のようなケースで追加費用が発生しがちです。
追加費用が発生しやすいケース
- 詳細診断料:簡易診断は無料でも、分解を伴う詳細診断や水濡れ診断は有料(例:2,200円~9,000円)になる。
- 部品代:作業料金とは別に実費が発生する。特にマザーボードや特殊な液晶パネルは高額になる。
- キャンセル料:見積もり後に修理を依頼しない場合、診断料やキャンセル料(例:6,600円)が発生する。
- 出張費/交通費:出張修理の場合、基本料金に加え発生(例:2,200円~)。遠方の場合は追加交通費がかかることも。
- データ復旧・移行:修理作業とは別に、データ救出や新SSDへのデータ移行作業を依頼する場合。
- 特急/優先作業料:即日対応や優先診断を依頼する場合(例:「パソコンドック24」エクスプレスサービス 5,500円)。
- お客様起因の故障:水こぼし、落下、破損などは、メーカーの通常保証が効かず、高額な見積もりになる。
2025年の最新料金トレンドと業界の動向
2025年現在、パソコン修理業界のトレンドにはいくつかの特徴が見られます。
1. 「データ保護」と「低価格化」の加速
2025年のトレンドとして、専門業者は「データを消さない修理」を強く打ち出し、メーカー修理との差別化を図っています。
見積もりや診断の無料化を進める業者(例:PC Fixs、RENOV)も増え、料金体系の透明性を高めることが重視されています。
2. 固定料金制(シンプルプライス)の台頭と注意点
「RENOV」のように、分解の有無によって作業料金をシンプルな2プライス制(分解不要:9,900円、分解必要:13,750円 ※部品代別)とし、複数箇所修理しても作業料金は1箇所分のみ、という業者も存在します。
3. 修理依頼方法の柔軟性向上
多忙なニーズに対応し、持ち込みや出張での「最短即日対応」を強化する業者が多いです。
また、宅配修理の利便性も向上しており、「RENOV」がヤマト運輸の専用ボックス(パソコン宅急便BOX)を実質無料で利用できるキャンペーン(2025年11月30日受付分対象)を実施するなど、梱包の手間や費用を軽減するサービスも見られます。
4. 部品の調達状況
2024年以降、半導体不足は緩和傾向にありますが、海外製ゲーミングノートPCの専用ファンなど、特殊な部品の取り寄せには数週間かかるケースが依然として残っています。液晶パネルも、海外からの取り寄せの場合は10日~3週間程度かかることがあります。
📚 参考情報
キャンペーン情報や部品の在庫状況は日々変動します。最新の情報は、依頼を検討している業者の公式サイト(例:RENOVなど)で直接ご確認ください。
まとめ:パソコン修理の料金相場と賢い業者選び
この記事では、2025年最新のパソコン修理の料金相場について、症状別、修理方法別に詳しく解説しました。
- 液晶割れ:専門業者なら1.5万〜4万円、メーカー修理は7万円超えが多い。
- 起動しない:OS修復なら1.5万〜2.5万円(作業費)。マザーボード交換はメーカー修理で高額(4万〜9万円)になりがち。
- 動作が遅い:SSD換装(1.5万〜3万円)が最も効果的。
- データ復旧:「物理障害」になると10万円以上かかるため、異常を感じたらすぐに電源を切ることが重要。
- 業者選び:データを守りたいなら「専門業者」、保証期間内でデータが不要なら「メーカー修理」が選択肢となります。
💡 修理業者は「救命ボート」選び
パソコンの修理を検討する際、費用とデータ保護の関係は、「救命ボート」を選ぶ状況に似ています。メーカーは頑丈で信頼できる純正の「救命ボート」を提供しますが、費用が高く、荷物(データ)を捨てて乗る(初期化)必要があります。一方、優良な専門業者は、安価で迅速な「レスキュー船」を提供し、あなたの貴重な荷物(データ)を一緒に救出してくれる可能性が高いと言えます。
修理を依頼する際は、必ず「部品代込みの総額見積もり」を取得し、追加費用が発生する条件を確認すること。そして何より、あなたの大切な「データ」をどう扱うかの方針を明確にしてくれる、信頼できる業者を選んでください。








