【水没】PCに水をこぼした!電源を入れるな!応急処置と修理料金

  • 公開日:2025/11/9
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【水没】PCに水をこぼした!電源を入れるな!応急処置と修理料金

パソコンに水やコーヒー、ジュースなどをこぼしてしまった時、パニックになるかもしれません。しかし、その後の数分間の行動が、パソコンとデータの運命を分けます。

この記事では、パソコンを水没させてしまった場合に「すぐにやるべき応急処置」、そして「絶対にやってはいけないNG行動」、修理に出す場合の料金相場や業者の選び方、データ復旧の可能性について詳しく解説します。

⚠️ 重大な危険性:感電・発火のリスク

水没した機器は、時間の経過とともに内部の腐食が進行します。最悪の場合、発熱による感電・発火・発煙など重大な事故を招く危険性があります。迅速かつ適切な対応が不可欠です。


1. すぐにやるべき応急処置(初動対応)

水をこぼしたら、焦らず以下のステップを速やかに行ってください。ダメージを最小限に抑えることが最優先です。

ステップ1: 電源を切る(シャットダウン)

(正常に終了できない場合は、電源ボタン長押しで強制的に電源を切る)

ステップ2: 給電を絶つ

(電源コードをコンセントから抜き、取り外せるバッテリーはすべて取り外す)

ステップ3: 周辺機器をすべて取り外す

(USBメモリ、マウス、外付けHDDなど、接続されているものすべて)

ステップ4: 表面の水分を拭き取る

(乾いた布、タオル、ティッシュペーパーで優しく拭き取る)

ステップ5: 水切り・乾燥

(ノートPCの場合、タオルなどの上にキーボード面を下にしてひっくり返す)

⚠️ 応急処置中のNG行動

  • NG:電源が切れた状態で、動作確認のために何度も電源のON/OFFを繰り返す。
  • NG:激しく振ったり叩いたりして水分を出そうとする。(濡れていない部分まで水が回るリスクがあります)
  • NG:ドライヤーの熱風で乾かす。(部品が熱で変形・損傷します)

2. なぜ電源を入れてはいけないのか?

応急処置で最も重要なのが「電源を切る・入れない(通電させない)」ことです。その理由は、内部の回路がショート(短絡)するのを防ぐためです。

💡 水没PCへの通電は「濡れた手でコンセントを触る」のと同じ

水は電気を通しやすい性質があります。パソコンの精密な基板(マザーボード)に水分が残った状態で電気を流す(電源を入れる)のは、濡れた手でむき出しのコンセントを触るようなものです。

電気が本来通るべき道以外を流れ、「バチッ!」とショートして回路が物理的に焼損・破損してしまいます。こうなると、修理は非常に困難になります。

特に以下のリスクがあります。

  1. 物理的な損傷:

    マザーボードやCPU、メモリなどの主要パーツがショートによって物理的に壊れてしまいます。

  2. データ復旧が絶望的に:

    特にHDD(ハードディスク)の制御基板がショートで破損すると、データの復旧が絶望的になる可能性があります。

  3. 水以外の液体の危険性(ジュース・コーヒー):

    コーヒーやジュース、アルコールなど水以外の液体は、糖分や塩分を含んでいます。これらが乾燥しても基板に残留し、通電することで腐食をさらに進行させ、より大きな損害を与えます。


3. 水没したパソコンの乾燥方法

表面の水分を拭き取った後も、内部には水分が残っています。時間をかけて十分に乾燥させることが重要です。

推奨される乾燥方法と期間

  • 方法1:自然乾燥(陰干し)
    • 直射日光の当たらない、風通しのいい場所に放置します。
    • PCの下にキッチンペーパーやタオルを敷き、湿気を吸わせましょう。
    • 期間目安:最低24時間以上。可能であれば2~3日、理想は1週間程度放置します。
  • 方法2:送風(推奨)
    • 扇風機などで風を当て続けると、乾燥を早めることができます。
    • ドライヤーを使う場合は、部品が熱で損傷するため、必ず「冷風」で、一番弱い風に設定してください。
  • 非推奨:分解清掃(上級者向け)
    • 慣れている方は、分解して無水エタノールなどで基板を洗浄・乾燥させると腐食リスクを減らせます。
    • ただし、分解は故障リスクが高く、メーカー保証も無効になるため、初心者には絶対に推奨されません。

4. 水没修理の料金相場と修理業者の選び方

水没修理の費用は、水濡れの範囲と故障したパーツによって「数万円~十数万円」と大きく変動します。

A. 水没修理の料金相場(目安・税込)

水没したPCは、まず専門的な「水没診断」が必要となり、通常のPC修理とは異なる診断料が発生することが一般的です。

  • 水没診断料: 5,000円 ~ 9,000円

    (例:パソコンドック24では5,500円。通常診断無料の業者でも水濡れは有料診断となることが多いです)
  • 洗浄・復旧作業料: 15,000円 ~ 25,000円

    (例:パソコンドック24で内部の液体除去・洗浄のみで回復した場合、25,300円~)
  • パーツ交換(キーボード): 6,600円~ + 部品代

    (例:PCホスピタルの作業料金目安)
  • パーツ交換(総額): 50,000円 ~ 100,000円以上

    (マザーボードやCPUなど主要パーツの交換が必要な場合、6~7万円以上かかることも珍しくありません)

B. 修理業者の選び方(データ vs 本体)

水没修理で最も重要なのは、「データを最優先するか」「PC本体の動作を最優先するか」で依頼先を決めることです。

【最優先:データ復旧】

依頼先: データ復旧専門業者(デジタルデータリカバリーなど)

方針: PC本体が直らなくても、データを取り出すことを目的とします。水没による物理障害にも対応できる専門技術を持っています。データは初期化されません。

【最優先:本体修理】

依頼先: パソコン修理業者(PCホスピタル、パソコンドック24など)

方針: メーカーより安価に、データを保護したまま修理を試みます。ただし、ストレージ交換やOS修復が必要な場合はデータが消える可能性もあります。

【非推奨:データがある場合】

依頼先: メーカー / 家電量販店

方針: 使用者の過失(水没)は保証対象外となることが多いです。また、修理の過程でデータは初期化され、工場出荷状態に戻る可能性が非常に高いです。


5. データ復旧の可能性と注意点

パソコンが起動しなくても、データが無事である可能性は残されています。

A. データ復旧の可能性

データ復旧の可否は、HDDやSSDといった記憶媒体(ストレージ)自体が無事かどうかにかかっています。

  • 救出のチャンス:

    パソコンが起動しなくても、ストレージが無事であれば、それを取り出してデータを救出できます。(例:PCホスピタルのデータ救出作業料金は22,000円~)

  • 時間との勝負:

    水没・水濡れからのデータ救出は時間との勝負です。時間が経つと腐食が進行し、データ復旧の可能性がどんどん低下していきます。一日でも早く専門業者に持ち込むことが最善です。

  • 物理障害のリスク:

    水没はHDD内部に物理的な障害を引き起こす可能性が高く、この場合、個人での復旧は不可能です。

B. データを守るための注意点

データが重要であれば、以下の点を厳守してください。

⚠️ データを守るための絶対ルール

  1. 通電しない:

    水没による物理障害があるパソコンに通電することは、データにとって「とどめの一撃」になる可能性があります。乾燥させた後でも、電源を入れるのは非常に危険です。
  2. 自己判断で操作しない:

    原因が特定できないまま、むやみに復旧ソフトを使用したりすると、かえってデータを破損させる可能性があります。
  3. (もし起動したら)すぐにバックアップ:

    万が一、乾燥後に正常に起動した場合でも、腐食は内部で静かに進行します。ある日突然使えなくなることが珍しくないため、即座に外付けHDDやクラウドに全データをバックアップしてください。

データが最重要である場合は、自分で電源を入れずに、そのままデータ復旧専門業者に相談するのが最も安全な選択です。

まとめ:PC水没は「電源OFF」と「スピード」が命

この記事では、パソコンに水をこぼしてしまった時の対処法について解説しました。

  • 応急処置:

    「即電源OFF」「給電停止」「水分拭き取り」が最優先。絶対に振ったり、熱風で乾かしたりしないでください。

  • 電源NGの理由:

    内部が濡れた状態での通電は、回路がショートし、パーツが物理的に破損(焼損)する最大の原因です。

  • 乾燥:

    自然乾燥(陰干し)または扇風機の冷風で、最低でも24時間~数日間は乾燥させます。

  • 修理の選択:

    「データ」が最優先ならデータ復旧専門業者へ。「本体」の修理が優先ならPC修理業者へ。メーカー修理はデータが初期化される可能性が非常に高いです。

水没したパソコンの対応は、時間との勝負です。特にデータが重要な場合は、自分で電源を入れずに、一日でも早く専門業者に相談しましょう。

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