【PC修理】履歴は復元される!修理前にプライバシーを完全保護する方法

  • 公開日:2025/11/9
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【PC修理】履歴は復元される!修理前にプライバシーを完全保護する方法

「パソコンを修理に出したいけれど、ブラウザの履歴や保存したパスワードを見られたらどうしよう…」

パソコンを修理に出す際、個人情報や閲覧履歴の漏洩は非常に大きな懸念事項です。修理業者は、たとえパスワードロックがかかっていても、ハードディスク内のデータ(ファイル)を閲覧可能であるため、細心の注意を払う必要があります。

この記事では、主要ブラウザ(Chrome, Edge, Firefox)の履歴、キャッシュ、Cookie、パスワードを削除する手順、そして通常の削除では不十分な理由(=復元されてしまうリスク)と、復元不可能にするための万全な対策について詳しく解説します。

⚠️ 修理前に必ずバックアップを!

本記事で紹介する「完全消去(ワイプ)」などの手順を実行すると、データは復元できなくなります。また、修理中にデータが破損・消失する可能性もゼロではありません。修理に出す前には、必ず重要なデータを外部ストレージやクラウドにバックアップしてください。


I. 修理前に実行すべき基本的なセキュリティ対策

ブラウザ履歴の削除に加えて、情報漏洩のリスクを避けるために、以下の準備を行うことを強く推奨します。

修理前のセキュリティ対策チェックリスト

  • データの完全バックアップ

    (重要なデータはすべて外部ストレージやクラウドに退避させます)
  • すべてのアカウントからログアウト

    (SNS、銀行口座、通販サイトなど、ログイン状態のサービスはすべてログアウトします)
  • ログインパスワードの管理

    (修理業者にWindowsのログインパスワードを絶対に教えない。必要な場合は、管理者権限のないローカルアカウントを一時的に作成します)

II. 主要ブラウザごとの履歴・キャッシュ・Cookie・パスワード削除手順

まずは、各ブラウザに保存されている表面的なデータを削除します。この操作を行うと、多くのサイトからログアウト状態になり、次回アクセス時にIDとパスワードの再入力が必要になります。

ショートカットキー: 多くのブラウザでは Ctrl + Shift + Del キーを同時に押すことで、閲覧履歴データの削除画面を直接開くことができます。

1. Google Chrome の削除手順

  1. 右上の3点リーダーアイコン(︙)をクリック → 「閲覧履歴データを削除」を選択。
  2. 「閲覧履歴データの削除」ポップアップが開かれます。
  3. 「基本設定」タブ
    • 期間を「全期間」に設定します。
    • 「閲覧履歴」「Cookieと他のサイトデータ」「キャッシュされた画像とファイル」の3項目にチェックを入れます。
  4. 「詳細設定」タブ
    • 期間を「全期間」に設定します。
    • 基本の3項目に加え、「パスワードとその他のログインデータ」にもチェックを入れます。
  5. 「データを削除」をクリックします。

2. Microsoft Edge の削除手順

  1. 右上の3点リーダーアイコン(・・・)をクリック → 「履歴」を選択。
  2. 表示された履歴ウィンドウの3点リーダー(・・・)をクリック → 「閲覧データをクリア」を選択。
  3. 「閲覧データをクリア」画面が開かれます。
  4. 「時間の範囲」を「すべての期間」に設定します。
  5. 「閲覧の履歴」「Cookieおよびその他のサイトデータ」「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れます。
  6. さらに下にスクロールし、「パスワード」の項目にもチェックを入れます。
  7. 「今すぐクリア」をクリックします。

3. Firefox の削除手順

  1. 右上のメニューボタン(三本線)をクリック → 「履歴」を選択 → 「最近の履歴を消去…」を選択。
  2. 「消去する履歴の期間」で「すべての履歴」を選択します。
  3. 「履歴」の項目で、「表示したページとダウンロードの履歴」「Cookie」「キャッシュ」にチェックを入れます。
  4. さらに、「ログイン情報とサイトデータ」(または「ログイン情報」)にもチェックを入れます。これがパスワードやアクティブなログイン状態の削除に該当します。
  5. 「OK」または「今すぐ消去」ボタンをクリックします。

III. 復元不可能にする方法(完全削除/データワイプ)

重要: IIの手順でブラウザの履歴を削除しても、それは「目次から消した」だけです。データ本体はディスクのデータ領域に残っており、専用の復元ソフト(例:MyRecoverなど)を使えば、簡単に復元できてしまいます。

機密情報を扱うPCを修理に出す場合、復元不可能な状態にする「完全消去」が不可欠です。

⚠️ 完全消去は「元に戻せない」操作です

以下の操作を実行すると、データは復元不可能になります。必ず、必ずバックアップが完了していることを確認してください。

1. ドライブの完全消去(ワイプ)

データを復元不可能にする最も確実な方法は、専用ソフトでドライブ全体を無意味なデータ(ゼロやランダムな数値)で上書き消去(ワイプ)することです。

  • 方法: 「MiniTool Partition Wizard」などの無料パーティション管理ソフトウェアには、「パーティションの抹消」や「ディスクの抹消」機能が搭載されています。
  • 効果: この方法で上書きされたデータは、いかなる復元ソフトウェアでも復元できず、データを確実に保護できます。
  • 注意点: OSがインストールされているドライブ自体をワイプすると、OSも起動しなくなります。修理内容によっては(例:OSが起動しないトラブル)、OSの再インストールを前提としてこの作業を行います。

2. データ領域の暗号化(BitLocker)

データを「消す」のではなく、「鍵をかけて読めなくする」方法です。Windows Pro版以上であれば標準搭載されている「BitLocker」機能が強力です。

  • 方法: Windowsのコントロールパネルから「BitLocker ドライブ暗号化」を選択し、ドライブ全体を暗号化します。
  • 効果: 強力な暗号化技術(AES)により、復号キー(またはパスワード)を持つ人以外は、データにアクセスしても意味不明な文字列としてしか認識できません。
  • 注意点: 修理業者にPCを渡す際、BitLockerの「回復キー」は絶対に教えないでください。(ただし、OSが起動しないトラブルの場合、業者側が作業のために回復キーを要求する場合があります。その判断は慎重に行う必要があります)

3. 物理破壊(最終手段)

データの流出を絶対に避けたい、修理よりも機密保持が優先、という極めて高いセキュリティ要件がある場合、HDDやSSDを物理的に破壊(ドリルで穴を開ける、粉砕するなど)する方法もあります。

  • 注意点: 当然ながら、PCは修理不可能になります。専門業者に依頼し、「破壊処分証明書」を発行してもらうことも可能です。

まとめ:修理前のデータ保護は「金庫に鍵をかける」こと

パソコン修理前にプライバシーを守る対策は、家を留守にする際に「貴重品(データ)を金庫に入れ、鍵を閉める」行為に例えられます。

💡 修理前のプライバシー保護 3ステップ

  • ステップ1:バックアップ(貴重品の確保)

    まず、すべての重要なデータ(貴重品)を安全な場所(外付けHDDやクラウド)に移動させます。
  • ステップ2:ブラウザ履歴の削除(表面的な掃除)

    これは「テーブルを拭く」ようなもので、表面的な痕跡は消えますが、専門家(復元ソフト)が見れば痕跡は残っています。
  • ステップ3:完全消去/暗号化(金庫に鍵をかける)

    復元ソフトによる侵入を防ぐため、ディスクの完全消去(ワイプ)やBitLocker暗号化といった「金庫に鍵をかける」対策が必要です。これが最も安全な方法です。

修理業者に依頼する前に、バックアップ(データの確保)、ログアウト(アカウントのロック)、そして可能であれば完全消去/暗号化(プライバシーの保護)の3点を徹底することが、最も安全な対策となります。

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