「最近ブレーキの効きが悪い」「レバーが緩くなった」と感じていませんか?それはブレーキワイヤーの劣化が原因かもしれません。 自転車のブレーキワイヤー交換の総費用は、「工賃」と「ワイヤー部品代」の合計額となります。一般的な相場は、部品代込みで1…
自転車のギア修理(変速機修理)の費用は、その原因によって大きく変動します。ワイヤーの張りを微調整するだけの軽度な「調整」であれば¥500〜¥1,760程度で済みますが、ワイヤーの劣化や変速機本体(ディレイラー)の故障が原因の場合、「ワイヤー交換(¥2,000〜¥5,000)」や「ディレイラー交換(¥7,000〜¥12,000)」といった高額な修理が必要になることもあります。
この記事では、ギアの不調にかかる修理費用について、軽度な「調整」から「部品交換」まで、料金相場、作業内容、そして不調の原因について詳しく解説します。
レベル1:調整
料金目安: ¥500〜¥1,760
内容: ワイヤーの張り調整、位置調整。軽度な不調。
レベル2:ワイヤー交換
料金目安: ¥2,000〜¥5,000
内容: ワイヤーの錆、ほつれ、伸びが原因の場合。
レベル3:部品交換(本体)
料金目安: ¥7,000〜¥15,000+
内容: 変速機(ディレイラー)やハンガーの曲がり、破損。
1. ギア調整の料金相場(軽度な不調)
ギア調整(変速調整)の作業は、ワイヤーの張りを微調整する(アジャスターを回すなど)だけで済む軽度な不調の場合、非常に安価に設定されています。しかし、変速機本体の位置調整(可動域の調整)など、原因究明が必要な場合は費用が上がります。
💡 ギア不調は「風邪」か「骨折」か
ギアの不調は、人間の体調不良に似ています。
- 調整(風邪):「なんとなく調子が悪い」程度なら、薬(ワイヤー調整)で治ります。これが「調整」料金(¥500〜)です。
- 交換(骨折):転倒して「骨(ディレイラーハンガー)が曲がった」「腱(ワイヤー)が切れた」場合、薬では治りません。手術(部品交換)が必要です。これが高額になる理由です。
調整のみの場合(軽度)の工賃相場は、¥500から¥1,650程度です。
| 店舗/サービス | 作業項目 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| Gooday, オリンピック等 | 変速調整(一般車/後のみ) | ¥500〜¥880 |
| サイクルショップタニフジ (2023/3/01) | 外装変速機 調整(後) | ¥770 |
| 専門店 (Gufo, AG BIKE等) | 変速調整(スポーツ車/片側) | ¥1,100〜¥1,650 |
| チャリパ | シフト調整 | ¥1,650 |
サイクルベースあさひのギア調整料金
サイクルベースあさひでは、変速機の種類に応じて調整工賃が設定されています。
- 内装変速調整(後のみ):¥550(税込)
- 外装変速調整(後のみ):¥880(税込)
- スポーツ車 変速調整(前後):¥1,760(税込)
購入店であれば、調整のみの場合は無料で対応してくれる店も多いですが、他店購入車や調整だけを依頼する場合は工賃がかかります。
2. ギアワイヤー(シフトワイヤー)交換の費用
ギアの不調で最も多い原因の一つが、シフトワイヤーの劣化(錆、ほつれ)や伸びです。ワイヤー交換が必要な場合、工賃に加えて部品代が加算されます。
ギアワイヤー交換の料金相場(工賃+部品代)
部品代と工賃を合わせた総額は、一般的に¥2,000〜¥5,000程度が目安です。
- シティサイクル(内装3段):総額 ¥2,300(リンリン舎/2025/3/26時点)から、出張修理サービスでは ¥6,400(出張費・税込、単独作業時)まで幅があります。
- 外装6段(一般車):総額 ¥2,400〜(B-Ripea/出張費・税込)
- 電動自転車:ワイヤーがカバー内部を通るなど複雑な場合、総額 3,000円〜5,000円程度と、やや高額になる傾向があります。
ギアワイヤー交換の工賃(部品代別)
工賃は、内装か外装か、アウターケーブルも交換するかで変動します。
| 作業内容 | 料金相場(税込) | 参照元 |
|---|---|---|
| 内装変速ワイヤー交換 | ¥1,650〜¥2,750 | あさひ, Gufo Cycle Works |
| 外装変速ワイヤー交換 (インナーのみ) | ¥1,650〜¥2,200 | 梶原自転車店, あさひ |
| 外装変速ワイヤー交換 (インナー/アウター) | ¥2,200〜¥3,630 | Gufo Cycle Works, あさひ |
| スポーツ車 (インナー+アウター) | ¥3,080〜¥4,400 | 輪娯ロード, イオンバイク |
※ワイヤー部品代は別途かかりますが、シマノ製ステンレスワイヤーなど標準部品込みで総額を提示している店舗もあります。
3. 変速機修理(ディレイラー交換・ハンガー修正)の料金
ワイヤー調整や交換でも直らない場合、変速機本体(ディレイラー)の故障や、フレーム側の部品(ハンガー)の曲がりが原因であり、交換や修正が必要になります。
変速機(ディレイラー)本体交換の工賃(部品代別)
ディレイラー交換には、通常、変速調整工賃が含まれています。
- リアディレイラー交換: ¥3,080〜¥5,280(輪娯ロード, あさひ, イオンバイク)
- フロントディレイラー交換: ¥3,300〜¥4,730(梶原自転車店, あさひ)
- 内装変速ユニット交換: ¥5,000〜¥6,490(TBee CYCLE, あさひ)
パーツ代を含めた総額の目安として、変速機交換は7,000円〜12,000円ほどが目安となります。高性能なスポーツバイクでは、部品代が高額になるため、さらに費用が跳ね上がる可能性があります。
ディレイラーハンガー修正・交換の工賃
特に外装変速機を搭載したスポーツバイクでは、転倒などで変速機を守る役割を持つディレイラーハンガー(エンド)が曲がることが不調の主原因であることが多いです。
- リアエンド曲がり修正: ¥3,300(Gufo Cycle Works、変速調整込み)、¥2,200(Di2アップデートと調整含む)〜 ¥6,930(あさひ)
- ハンガー交換: ¥3,300〜¥3,850(梶原自転車店, あさひ)
4. 内装3段・外装6段など種類別の料金差
ギア周りの部品交換が必要になった場合の総額は、変速機の種類によって大きく異なります。
シティサイクル(内装3段)
総額目安: ¥5,000〜¥8,000
特徴: 部品代が比較的安価なため、費用は低めに収まる傾向があります。
ワイヤー交換総額: ¥2,300〜(リンリン舎)
スポーツ車(外装変速)
総額目安: ¥8,000〜¥15,000+
特徴: 変速機構が外部にあり調整に手間がかかること、部品のグレードが高いため費用が上がります。
ギア一式交換: 15,000円〜20,000円以上かかるケースもあります。
5. ギアが切り替わらない原因と対処法
ギアが変わらない主な原因は多岐にわたり、軽度な調整で済むものから、部品交換が必須となるものまであります。
ギアが切り替わらない主な原因
- ① シフトワイヤーの劣化・緩み(最も多い)ワイヤーが錆びたり緩んだりすることで、変速機が正常に動作しなくなります。
- ② 変速機(ディレイラー)の位置ずれ・曲がり特に外装変速機の場合、転倒や衝撃でアームやハンガーが曲がり、不具合が生じます。
- ③ チェーンの摩耗や伸びチェーンが伸びるとギアとの噛み合わせが悪くなり、スムーズな変速ができません。(3000km以上交換していない場合など)
- ④ ギアやチェーン周辺の汚れ泥やゴミ、古い油が付着することで、チェーンや変速機の動きが鈍くなります。
対処法(修理判断基準)のフロー
症状:変速がだんだん悪化してきた
(サビ、汚れ、ワイヤーの伸び)
対処:清掃・注油、ケーブルテンション調整、またはケーブル交換
費用:安価〜中程度
症状:ギアチェンジ時にチェーンが滑る / 歯が丸い
(チェーンやスプロケットの摩耗)
対処:チェーンまたはスプロケット(ギア)の交換
費用:高額化しやすい
症状:転倒後、いきなりギアが変わらない
(ディレイラー/ハンガーの曲がり、ワイヤー断線)
対処:ハンガー修正、ディレイラー交換、ワイヤー交換
費用:中程度〜高額
6. よくある質問(FAQ)
Q1: ギア調整は購入店で無料になりますか?
A1: 購入店であれば、変速調整のみの軽度な作業は無料で対応してくれるケースが多いです。しかし、他店購入車や、調整だけでなく部品交換(ワイヤー交換、ディレイラー交換など)が必要な場合は、工賃が発生します。例えば、ナルトヤではシフト調整工賃が¥550〜¥1,100(税込)と設定されています。
Q2: ギア不調で修理に出したら、工賃表の「変速調整 ¥1,000」より高額になるのはなぜですか?
A2: 工賃表の安価な「変速調整」は、ワイヤーの張り調整など、部品交換を伴わない軽作業の費用であることが多いです。
しかし、実際の不調の原因が、チェーンの伸び、スプロケットの摩耗、シフトワイヤーの劣化、ディレイラーハンガーの曲がりなど、複数の要因にある場合、それらの部品交換や複雑な調整工賃が加算されるため、最終的な費用が1万円近くなることがあります。修理前に必ず見積もりの内訳(工賃・部品代・追加作業費)を確認することが重要です。
Q3: ギアがうまく入らない場合、まず何をチェックすべきですか?
A3: まず、シフトワイヤーの劣化(錆・ほつれ)や緩み、およびギアやチェーン周辺の泥やゴミの付着をチェックすべきです。汚れが原因なら清掃と注油で改善します。ワイヤーが原因の場合はワイヤー調整(軽度)かワイヤー交換が必要です。チェーンが錆びている場合は、チェーン交換(一般車で総額¥3,500〜¥6,600程度)が必要となることが多いです。
Q4: 内装3段変速機のワイヤー交換は、外装変速機よりも高いですか?
A4: ケースバイケースですが、高くなる傾向があります。シティサイクルの内装3段ワイヤー交換総額は¥2,300程度(リンリン舎)からありますが、出張修理では¥6,400(出張費込、BFSERV)の例もあります。内装変速は、ワイヤーがフレーム内部やカバー内部を貫通している場合など、作業難易度が高いため工賃が上がりやすいです。
Q5: 電動アシスト自転車のギア修理が高額になるのはなぜですか?
A5: 電動アシスト自転車のギア修理(特にワイヤー交換)は、ケーブルがモーターカバー内部を貫通しているタイプがあるため、作業工程が大幅に増えます。また、純正パーツが必要で部品代も高額になる傾向があります。あさひでのモーター式後輪のワイヤー交換工賃は¥3,850〜¥4,950(税込)と、一般車より高く設定されています。
📚 参考情報
本記事の料金やサービス内容は、各社公式サイトや情報源(2022年〜2025年時点の情報を含む)を参考に作成しています。最新の正確な料金は、必ず最寄りの店舗にご確認ください。
まとめ:ギアの不調は「調整」か「交換」かで費用が大きく変わる
この記事では、自転車のギア修理(変速機修理)にかかる費用について詳しく解説しました。
- 軽度の調整:ワイヤーの張り調整のみなら ¥500〜¥1,760程度。購入店では無料の場合も。
- ワイヤー交換:錆や伸びが原因の場合、総額 ¥2,000〜¥5,000程度。内装式や電動車は高め。
- 部品交換(重度):ディレイラー本体の交換(総額 ¥7,000〜)や、ハンガー修正(工賃 ¥3,300〜)が必要な場合は高額になります。
- 高額になる理由:安価な「調整」で済むと思ったのに高額になるのは、ワイヤーやディレイラー本体、ハンガーなど「部品交換」が必要と診断された場合です。
ギアの不調を防ぐには、日常的なチェーン掃除や注油が有効です。不調を感じたら、まずは軽度な「調整」で済むうちに、早めにプロに点検してもらうことをお勧めします。








