ギアが切り替わらない!自転車の変速機修理、調整と交換の料金差【2025年】

  • 公開日:2025/11/10
  • 最終更新日:
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「自転車のギアがうまく切り替わらない」「チェーンが滑る感じがする」といったトラブルは、サイクリングの快適さを大きく損ねます。

自転車のギア修理(変速機修理)の費用は、その原因によって大きく変動します。ワイヤーの張りを微調整するだけの軽度な「調整」であれば¥500〜¥1,760程度で済みますが、ワイヤーの劣化や変速機本体(ディレイラー)の故障が原因の場合、「ワイヤー交換(¥2,000〜¥5,000)」「ディレイラー交換(¥7,000〜¥12,000)」といった高額な修理が必要になることもあります。

この記事では、ギアの不調にかかる修理費用について、軽度な「調整」から「部品交換」まで、料金相場、作業内容、そして不調の原因について詳しく解説します。

レベル1:調整

料金目安: ¥500〜¥1,760

内容: ワイヤーの張り調整、位置調整。軽度な不調。

レベル2:ワイヤー交換

料金目安: ¥2,000〜¥5,000

内容: ワイヤーの錆、ほつれ、伸びが原因の場合。

レベル3:部品交換(本体)

料金目安: ¥7,000〜¥15,000+

内容: 変速機(ディレイラー)やハンガーの曲がり、破損。


1. ギア調整の料金相場(軽度な不調)

ギア調整(変速調整)の作業は、ワイヤーの張りを微調整する(アジャスターを回すなど)だけで済む軽度な不調の場合、非常に安価に設定されています。しかし、変速機本体の位置調整(可動域の調整)など、原因究明が必要な場合は費用が上がります。

💡 ギア不調は「風邪」か「骨折」か

ギアの不調は、人間の体調不良に似ています。

  • 調整(風邪):「なんとなく調子が悪い」程度なら、薬(ワイヤー調整)で治ります。これが「調整」料金(¥500〜)です。
  • 交換(骨折):転倒して「骨(ディレイラーハンガー)が曲がった」「腱(ワイヤー)が切れた」場合、薬では治りません。手術(部品交換)が必要です。これが高額になる理由です。

調整のみの場合(軽度)の工賃相場は、¥500から¥1,650程度です。

ギア調整(軽度) 工賃の例(税込)
店舗/サービス作業項目料金(税込)
Gooday, オリンピック等変速調整(一般車/後のみ)¥500〜¥880
サイクルショップタニフジ (2023/3/01)外装変速機 調整(後)¥770
専門店 (Gufo, AG BIKE等)変速調整(スポーツ車/片側)¥1,100〜¥1,650
チャリパシフト調整¥1,650

サイクルベースあさひのギア調整料金

サイクルベースあさひでは、変速機の種類に応じて調整工賃が設定されています。

  • 内装変速調整(後のみ):¥550(税込)
  • 外装変速調整(後のみ):¥880(税込)
  • スポーツ車 変速調整(前後):¥1,760(税込)

購入店であれば、調整のみの場合は無料で対応してくれる店も多いですが、他店購入車や調整だけを依頼する場合は工賃がかかります。

2. ギアワイヤー(シフトワイヤー)交換の費用

ギアの不調で最も多い原因の一つが、シフトワイヤーの劣化(錆、ほつれ)や伸びです。ワイヤー交換が必要な場合、工賃に加えて部品代が加算されます。

ギアワイヤー交換の料金相場(工賃+部品代)

部品代と工賃を合わせた総額は、一般的に¥2,000〜¥5,000程度が目安です。

  • シティサイクル(内装3段):総額 ¥2,300(リンリン舎/2025/3/26時点)から、出張修理サービスでは ¥6,400(出張費・税込、単独作業時)まで幅があります。
  • 外装6段(一般車):総額 ¥2,400〜(B-Ripea/出張費・税込)
  • 電動自転車:ワイヤーがカバー内部を通るなど複雑な場合、総額 3,000円〜5,000円程度と、やや高額になる傾向があります。

ギアワイヤー交換の工賃(部品代別)

工賃は、内装か外装か、アウターケーブルも交換するかで変動します。

ワイヤー交換 工賃の例(税込・部品代別)
作業内容料金相場(税込)参照元
内装変速ワイヤー交換¥1,650〜¥2,750あさひ, Gufo Cycle Works
外装変速ワイヤー交換 (インナーのみ)¥1,650〜¥2,200梶原自転車店, あさひ
外装変速ワイヤー交換 (インナー/アウター)¥2,200〜¥3,630Gufo Cycle Works, あさひ
スポーツ車 (インナー+アウター)¥3,080〜¥4,400輪娯ロード, イオンバイク

※ワイヤー部品代は別途かかりますが、シマノ製ステンレスワイヤーなど標準部品込みで総額を提示している店舗もあります。

3. 変速機修理(ディレイラー交換・ハンガー修正)の料金

ワイヤー調整や交換でも直らない場合、変速機本体(ディレイラー)の故障や、フレーム側の部品(ハンガー)の曲がりが原因であり、交換や修正が必要になります。

変速機(ディレイラー)本体交換の工賃(部品代別)

ディレイラー交換には、通常、変速調整工賃が含まれています。

  • リアディレイラー交換: ¥3,080〜¥5,280(輪娯ロード, あさひ, イオンバイク)
  • フロントディレイラー交換: ¥3,300〜¥4,730(梶原自転車店, あさひ)
  • 内装変速ユニット交換: ¥5,000〜¥6,490(TBee CYCLE, あさひ)

パーツ代を含めた総額の目安として、変速機交換は7,000円〜12,000円ほどが目安となります。高性能なスポーツバイクでは、部品代が高額になるため、さらに費用が跳ね上がる可能性があります。

ディレイラーハンガー修正・交換の工賃

特に外装変速機を搭載したスポーツバイクでは、転倒などで変速機を守る役割を持つディレイラーハンガー(エンド)が曲がることが不調の主原因であることが多いです。

  • リアエンド曲がり修正: ¥3,300(Gufo Cycle Works、変速調整込み)、¥2,200(Di2アップデートと調整含む)〜 ¥6,930(あさひ)
  • ハンガー交換: ¥3,300〜¥3,850(梶原自転車店, あさひ)

4. 内装3段・外装6段など種類別の料金差

ギア周りの部品交換が必要になった場合の総額は、変速機の種類によって大きく異なります。

シティサイクル(内装3段)

総額目安: ¥5,000〜¥8,000

特徴: 部品代が比較的安価なため、費用は低めに収まる傾向があります。

ワイヤー交換総額: ¥2,300〜(リンリン舎)

スポーツ車(外装変速)

総額目安: ¥8,000〜¥15,000+

特徴: 変速機構が外部にあり調整に手間がかかること、部品のグレードが高いため費用が上がります。

ギア一式交換: 15,000円〜20,000円以上かかるケースもあります。

5. ギアが切り替わらない原因と対処法

ギアが変わらない主な原因は多岐にわたり、軽度な調整で済むものから、部品交換が必須となるものまであります。

ギアが切り替わらない主な原因

  • ① シフトワイヤーの劣化・緩み(最も多い)ワイヤーが錆びたり緩んだりすることで、変速機が正常に動作しなくなります。
  • ② 変速機(ディレイラー)の位置ずれ・曲がり特に外装変速機の場合、転倒や衝撃でアームやハンガーが曲がり、不具合が生じます。
  • ③ チェーンの摩耗や伸びチェーンが伸びるとギアとの噛み合わせが悪くなり、スムーズな変速ができません。(3000km以上交換していない場合など)
  • ④ ギアやチェーン周辺の汚れ泥やゴミ、古い油が付着することで、チェーンや変速機の動きが鈍くなります。

対処法(修理判断基準)のフロー

症状:変速がだんだん悪化してきた

(サビ、汚れ、ワイヤーの伸び)

対処:清掃・注油、ケーブルテンション調整、またはケーブル交換

費用:安価〜中程度

症状:ギアチェンジ時にチェーンが滑る / 歯が丸い

(チェーンやスプロケットの摩耗)

対処:チェーンまたはスプロケット(ギア)の交換

費用:高額化しやすい

症状:転倒後、いきなりギアが変わらない

(ディレイラー/ハンガーの曲がり、ワイヤー断線)

対処:ハンガー修正、ディレイラー交換、ワイヤー交換

費用:中程度〜高額

6. よくある質問(FAQ)

Q1: ギア調整は購入店で無料になりますか?

A1: 購入店であれば、変速調整のみの軽度な作業は無料で対応してくれるケースが多いです。しかし、他店購入車や、調整だけでなく部品交換(ワイヤー交換、ディレイラー交換など)が必要な場合は、工賃が発生します。例えば、ナルトヤではシフト調整工賃が¥550〜¥1,100(税込)と設定されています。

Q2: ギア不調で修理に出したら、工賃表の「変速調整 ¥1,000」より高額になるのはなぜですか?

A2: 工賃表の安価な「変速調整」は、ワイヤーの張り調整など、部品交換を伴わない軽作業の費用であることが多いです。
しかし、実際の不調の原因が、チェーンの伸び、スプロケットの摩耗、シフトワイヤーの劣化、ディレイラーハンガーの曲がりなど、複数の要因にある場合、それらの部品交換や複雑な調整工賃が加算されるため、最終的な費用が1万円近くなることがあります。修理前に必ず見積もりの内訳(工賃・部品代・追加作業費)を確認することが重要です。

Q3: ギアがうまく入らない場合、まず何をチェックすべきですか?

A3: まず、シフトワイヤーの劣化(錆・ほつれ)や緩み、およびギアやチェーン周辺の泥やゴミの付着をチェックすべきです。汚れが原因なら清掃と注油で改善します。ワイヤーが原因の場合はワイヤー調整(軽度)かワイヤー交換が必要です。チェーンが錆びている場合は、チェーン交換(一般車で総額¥3,500〜¥6,600程度)が必要となることが多いです。

Q4: 内装3段変速機のワイヤー交換は、外装変速機よりも高いですか?

A4: ケースバイケースですが、高くなる傾向があります。シティサイクルの内装3段ワイヤー交換総額は¥2,300程度(リンリン舎)からありますが、出張修理では¥6,400(出張費込、BFSERV)の例もあります。内装変速は、ワイヤーがフレーム内部やカバー内部を貫通している場合など、作業難易度が高いため工賃が上がりやすいです。

Q5: 電動アシスト自転車のギア修理が高額になるのはなぜですか?

A5: 電動アシスト自転車のギア修理(特にワイヤー交換)は、ケーブルがモーターカバー内部を貫通しているタイプがあるため、作業工程が大幅に増えます。また、純正パーツが必要で部品代も高額になる傾向があります。あさひでのモーター式後輪のワイヤー交換工賃は¥3,850〜¥4,950(税込)と、一般車より高く設定されています。

📚 参考情報

本記事の料金やサービス内容は、各社公式サイトや情報源(2022年〜2025年時点の情報を含む)を参考に作成しています。最新の正確な料金は、必ず最寄りの店舗にご確認ください。

まとめ:ギアの不調は「調整」か「交換」かで費用が大きく変わる

この記事では、自転車のギア修理(変速機修理)にかかる費用について詳しく解説しました。

  • 軽度の調整:ワイヤーの張り調整のみなら ¥500〜¥1,760程度。購入店では無料の場合も。
  • ワイヤー交換:錆や伸びが原因の場合、総額 ¥2,000〜¥5,000程度。内装式や電動車は高め。
  • 部品交換(重度):ディレイラー本体の交換(総額 ¥7,000〜)や、ハンガー修正(工賃 ¥3,300〜)が必要な場合は高額になります。
  • 高額になる理由:安価な「調整」で済むと思ったのに高額になるのは、ワイヤーやディレイラー本体、ハンガーなど「部品交換」が必要と診断された場合です。

ギアの不調を防ぐには、日常的なチェーン掃除や注油が有効です。不調を感じたら、まずは軽度な「調整」で済むうちに、早めにプロに点検してもらうことをお勧めします。

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