ホイールの振れ取りはなぜ高い?「あさひ」と専門店の料金・時間工賃を比較

  • 公開日:2025/11/10
  • 最終更新日:
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「走行中、タイヤが左右にブレている気がする…」

「ホイールの振れ取りっていくら?料金が店によって全然違うのはなぜ?」

ホイールの振れ取りは、自転車の修理の中でも特に技術力が問われる「職人技」の一つです。そのため、料金体系も単純ではなく、「車輪を外さずに行う簡易調整」と「振れ取り台に乗せて行う詳細な調整」で、工賃が大きく変動します。

この記事では、ホイール振れ取りの料金相場、なぜ料金に幅があるのか、スポーク交換が必要なケースの費用まで、サイクルベースあさひや専門店のデータを基に詳しく解説します。

ホイール振れ取りの料金相場:「簡易」と「詳細」の違い

振れ取りの工賃は、作業の深さによって2つのレベルに大別されます。

A. 簡易振れ取り(車輪脱着なし)の相場

振れが軽度で、車輪を自転車に取り付けたままニップルを回して微調整する作業です。応急処置的な意味合いが強いです。

店舗例料金(税込)備考
サイクルベースあさひ¥1,650スポーツ車、車輪脱着不要
イオンバイク¥1,760前後共通、簡単な微調整
TBee CYCLE¥1,000車輪脱着なし
ナルトヤ¥550〜¥1,100簡易(車体につけたまま)

B. 詳細振れ取り(車輪脱着あり)の相場

車輪を車体から外し、専用の「振れ取り台」にセットして、縦振れ(真円度)と横振れ(左右のブレ)を0.5mm単位で追い込む本格的な作業です。後輪はスプロケット(ギア)やブレーキローターの脱着が伴うため、高額になります。

店舗例前輪工賃(税込)後輪工賃(税込)備考
サイクルベースあさひ¥4,290¥5,940後輪はスプロケット脱着有り
イオンバイク¥4,290¥6,160スプロケット・ブレーキ脱着込み
オリンピック¥5,610¥5,610前後共通、脱着あり
梶原自転車店(専門店)¥2,200¥2,200縦横とも/本
TBee CYCLE¥4,000¥4,000車輪脱着あり

「時間工賃」を採用する専門店も

振れ取りは技術力と時間に依存するため、スポーツバイク専門店では「時間工賃」で計算されるケースもあります。

  • Gufo Cycle Works の例: ホイール振れ取り 10分あたり ¥1,650(税込、2024年2月末)
  • ワイズロード新宿の事例: 5分あたり ¥880(税込)で、前輪880円(5分)、後輪1,760円(10分)で対応できた例も。

振れ取り作業の「職人技」とは?

振れ取りがなぜ高額なのか、それは単にリムを真っ直ぐにするだけでなく、「スポークの張力(テンション)」を均一化するという高度な技術が必要だからです。

💡 振れ取りは「楽器のチューニング」

ホイールの振れ取りは、ギターやピアノの調律(チューニング)にそっくりです。 1本の弦(スポーク)だけをきつく締めても、正しい音(真っ直ぐなホイール)にはなりません。 すべての弦(スポーク)がそれぞれ適切な張力(テンション)でバランスを取り合うことで、初めて美しい和音(強くて真っ直ぐなホイール)が完成します。 1箇所だけを締めすぎると、必ず別の場所が歪んでしまうのです。この全体のバランスを取るのが「職人技」です。

所要時間

作業時間は、振れの重症度とメカニックの技量に左右されます。

  • 軽度な振れ(簡易修正): 10分程度で完了することも。
  • 標準的な振れ(詳細修正): 15分〜20分程度が目安。
  • 重度の振れ: 1時間以上かかることもあり、その場合は預かり修理となります。

振れ(歪み)の放置リスク

ホイールの振れは、見た目だけの問題ではありません。

⚠️ 振れを放置するとスポークが次々折れる

振れを放置すると、スポークにかかる負担(テンション)が不均一になります。 特定のスポークにだけ過度な負担がかかり続ける結果、そのスポークが金属疲労で折れてしまいます。 1本折れると、残りのスポークへの負担がさらに増し、連鎖的にスポークが折れていく最悪の事態につながります。 また、リムブレーキの場合はブレーキがリムに断続的に接触し、安全な走行ができません。

振れの見極め方

  • 車輪を空転させ、ブレーキパッドやフレームを基準にして見る。
  • リムが左右に波打つ(横振れ)。
  • リムが上下に波打つ(縦振れ)。
  • 走行中にブレーキが「シュッ、シュッ」と一定のリズムでリムに当たる。

「振れ取り」vs「スポーク交換」

振れの原因がスポークの緩みであれば「振れ取り(調整)」で済みますが、スポーク自体が損傷している場合は「スポーク交換」となり、工賃がさらに高額になります。

スポーク交換が必要なケース

  • スポークが物理的に折れている、または大きく曲がっている。
  • ニップル(ネジ部分)が錆び付いて回らない、またはネジ山が潰れている。
  • リム自体が事故などで大きく変形・損傷している(この場合はリム交換=ホイール組み直しが必要です)。

スポーク交換の料金(1本目、振れ取り込み)

スポーク交換は、必ず詳細な振れ取り作業がセットになります。

店舗例前輪(税込)後輪(税込)備考
サイクルベースあさひ¥5,940¥8,910車輪脱着・スプロケット脱着有り。部品代別途。
梶原自転車店(専門店)¥3,300¥4,4001本の工賃。部品代別途。
TBee CYCLE¥5,000〜¥6,000〜車輪脱着・ギア関連脱着の有無で変動。

※上記工賃に、別途スポーク部品代(1本 ¥100〜)やニップル代が加算されます。

サイクルベースあさひの料金詳細

あさひは作業内容に応じて工賃が細かく設定されています。

  • 振れ取り(簡易・脱着不要): ¥1,650
  • 振れ取り(詳細・前輪脱着): ¥4,290
  • 振れ取り(詳細・後輪スプロケット脱着): ¥5,940
  • スポーク交換(前輪脱着): ¥5,940
  • スポーク交換(後輪スプロケット脱着): ¥8,910
  • スポーク交換(後輪・内装ギア脱着): ¥9,240
  • スポーク全体のテンション調整: ¥2,750

ホイール振れ取りに関するFAQ

Q1: ホイールの振れ取り料金は、なぜ店によってこんなに幅があるのですか?

A1: 「作業の定義と深さ」が全く違うためです。 大きく分けて2種類あります。

  1. 簡易調整(¥1,000〜¥2,000): 車体につけたまま、目立つ振れだけを応急処置的に修正します。
  2. 詳細調整(¥4,000〜¥6,000): 振れ取り台に乗せ、縦横の振れを精密に修正し、スポークテンションの均一化まで行う「職人技」です。

また、専門店では「10分 ¥1,650」といった時間工賃を採用している場合もあり、料金体系が異なります。

Q2: 振れ取りを放置すると、どうなりますか?

A2: スポークの張力バランスが崩れ、特定のスポークに負担が集中し、最終的にスポークが次々に折れてしまいます。また、リムブレーキがリムに接触し、安全な走行ができなくなるため非常に危険です。

Q3: 振れ取りにかかる時間はどれくらいですか?

A3: 振れが軽度なら10分〜20分程度で完了します。しかし、振れが重度で全スポークのテンション調整が必要な場合は、1時間以上かかることもあり、その場合は預かり修理となるのが一般的です。

Q4: スポークが1本折れた場合、費用はいくらですか?

A4: 「スポーク部品代(¥100〜)」+「スポーク交換工賃(振れ取り込み)」が必要です。サイクルベースあさひの場合、後輪の工賃は¥8,910(税込、部品代別途)です。専門店(梶原自転車店)では後輪1本で¥4,400(税込、部品代別途)といった例があります。

Q5: 自分でホイールの振れ取りはできますか?

A5: おすすめしません。 振れ取りは熟練した技術を要する「職人技」です。専用工具(振れ取り台、ニップル回し、テンションメーター)が必要な上、知識なく調整すると、逆に振れを悪化させたり、スポークやニップルを破損させたりするリスクが非常に高いです。安全のため、プロに依頼することを強く推奨します。

まとめ:ホイール振れ取りは「安全」のための専門技術料

この記事では、自転車のホイール振れ取りにかかる工賃について解説しました。

  • 料金の幅: 作業内容によって「簡易調整(¥1,650前後)」と「詳細調整(¥4,290〜¥5,940)」に大別される。
  • 専門店の料金: 専門店では「時間工賃(10分 ¥1,650など)」が適用される場合もある。
  • 作業の難易度: 単なる歪み取りではなく、全スポークの「テンションバランス」を整える職人技。
  • スポーク交換: スポークが折れた場合、工賃はさらに高額(あさひ後輪 ¥8,910〜)になる。
  • DIYのリスク: 知識なく調整するとホイールを壊すリスクがあるため、プロへの依頼が必須。

ホイールの振れは、走行の安全性に直結する重要な問題です。「ブレーキが当たる」「ホイールが波打っている」と感じたら、早めにお近くの自転車店(できればスポーツバイクの知識が豊富な店舗)に相談しましょう。

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