【法人向け】PC修理のポイント!保守契約の選び方と機密情報保護

  • 公開日:2025/11/9
  • 最終更新日:
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【法人向け】PC修理のポイント!保守契約の選び方と機密情報保護

概要

法人がビジネス用パソコンの修理を依頼する際、個人のPC修理とは比較にならないほど多くの点に配慮が必要です。

単に「壊れたものを直す」だけでなく、「業務の継続性」「セキュリティの確保」「コストの明確化」という3つの要素が、企業の事業継続計画(BCP)と密接に関わってきます。

この記事では、法人がPC修理を依頼する上で不可欠な「保守契約のメリット」、トラブルを防ぐ「契約の選び方」、そして最も重要な「機密情報保護」について、専門的な視点から詳しく解説します。

法人が直面するPCトラブルにおいて、以下の3点が最重要課題となります。

① 業務の継続性

課題:修理中にPCが使えず、業務がストップする。

対策:代替機の即時提供(レンタル、先出しセンドバック)

② セキュリティの確保

課題:顧客情報や会計データなど、機密情報の漏洩リスク。

対策:秘密保持契約(NDA)の締結、ISMS・Pマーク取得業者の選定。

③ コストの明確化

課題:突発的な高額修理費用による予算の圧迫。

対策:月額・年額固定費としての「保守契約」による予算化。


I. 法人向け修理サービスと保守契約(一括契約)のメリット

法人向けPC保守サポートは、PCのトラブル対応から管理・運用までを一貫して支援するサービスです。特に使用年数が4〜5年を超えたPCは、動作遅延やHDDの異音など物理的な劣化が進むため、計画的な保守体制が不可欠です。

保守業務を外部の専門業者に委託(アウトソーシング)することで、以下の大きなメリットが得られます。

保守契約の4大メリット

  • 1. 業務継続性の確保(代替機の提供)
    • PC修理には数日~数週間かかることが多く、その間の業務停止は重大な損失です。
    • 保守プランでは、故障時に代替機器を即時貸し出すサービスが含まれます。
    • 例:ブロードリンクのレンタルサービスでは、20台ごとに予備機1台が無料提供されます。
    • 例:日本システムケアのように、不具合発生時に最短翌日発送で代替機を送る「先出しセンドバック方式」を提供している業者もあります。
  • 2. コストの最適化と予算化
    • 「PCが壊れるたびに高額な修理費が発生する」という突発的な支出がなくなり、月額や年額の固定費として予算化できます。
    • 保守料金から修理費用が賄われるため、コスト管理が容易になります。
  • 3. ITリソースの効率的な活用
    • 専門的なスキルを持つIT人材を新たに採用・育成するコストをかけずに、専門業者による安定したサービスを受けられます。
    • これにより、情報システム部門やIT部門の負担を大幅に軽減し、従業員が本来のコア業務に集中できます。
  • 4. 迅速なトラブル対応
    • 緊急性の高い問題には、技術者が直接オフィスに訪問する「オンサイト保守」が有効です。
    • 例:PCホスピタルは全国約400の拠点から最短即日訪問が可能です。
    • 例:沖縄のOSPのように、緊急トラブル時に30分以内のかけつけを目標とするサービスもあります。

メーカー修理不可のPC(レガシーシステム)への対応

古い産業用PC(DOS/Windows 95 PCなど)や、専用アプリケーションが入ったPCは、メーカー保守契約が切れ、部品保有年数を過ぎているために修理不可能とされるケースが多くあります。このような場合、日本ピーシーエキスパートなどの専門会社は、ノウハウを駆使して適合する部品を調達し、修理対応が可能な場合があります。


II. トラブルを防ぐ「保守契約」の選び方

システム保守契約とは、機器やシステムに不具合が生じた場合に、業者が速やかに修理・メンテナンスの義務を負う契約です。金銭トラブルや「対応範囲外」といった認識の齟齬を防ぐため、契約書に以下の事項を明確に記載する必要があります。

保守契約書に記載すべき重要事項

  • 保守対象の範囲と内容

    (どの機器が対象か、メンテナンスや修理対応の具体的な業務内容を明記)
  • 保守業務の対応時間・対応方法

    (例:「平日の9時~18時」。営業時間外の対応と、その場合の費用。対応方法が電話、リモート、派遣(オンサイト)のどれか)
  • 料金と支払い

    (契約期間と料金。時間外対応やエンジニア派遣など、別途料金が発生するケースを明記。支払方法)
  • 秘密保持条項(NDA)

    (保守業務で社外秘の機密情報を見る可能性があるため、情報漏洩を防ぐための条項。詳細は後述)

III. 料金と「請求書払い」への対応

1. 料金体系と費用相場

法人向け保守サービスの費用相場は、対応内容によって異なります。

  • オンサイト保守: 年間 50,000円 ~ 200,000円(1台あたり)
  • リモート保守: 月額 5,000円 ~ 15,000円(1台あたり)

スポットでの修理依頼の場合、パソコン修理専門業者はメーカーよりも費用が安くなる傾向があります。PCホスピタルなどでは、作業前に必ず見積もり金額を提示し、法人の同意なく作業を進めない方針を採用しているため安心です。

2. 請求書払い(掛け払い)への対応

法人取引において、経理処理上「請求書払い(翌月末振り込みなど)」に対応可能かは必須の確認項目です。

  • 元町PC・スマホサービス: 法人向けに請求書による翌月末振り込み支払いに対応。
  • パソコン修理24(PCバル): 見積書作成、請求書発行に柔軟に対応。請求書払いも可能(※所定の審査・手続きが必要)。
  • TG Device Careなど: 請求書を一元管理し、部署や社員の情報と紐づけて経理処理をサポートする機能を持つサービスもあります。

IV. 【最重要】機密情報保護(セキュリティ)

企業のPCには、顧客情報、会計データ、技術情報など、漏洩が許されない機密情報が大量に含まれています。修理やデータ復旧を依頼する際は、情報漏洩のリスク管理が最優先事項です。

⚠️ 法人側の防衛責任

修理を依頼する前に、契約者(法人側)の責任において、機密情報の防護措置(暗号化など)又は消去を実施する必要があります。また、サービス提供前に、重要なデータのバックアップを契約者の責任において実施することが求められます。

パスワードを設定している場合は、修理依頼時に事前に解除しておくか、安全な方法で業者に伝える必要があります。

信頼できる業者が講じるセキュリティ対策

業者を選定する際は、技術力だけでなく「どれだけ厳格なセキュリティ体制を持っているか」を確認することが不可欠です。

業者のセキュリティ体制チェックリスト

  • 秘密保持契約(NDA)の締結
    • 法人データ復旧においてNDAの締結は必須要件です。
    • 信頼できる業者は、NDA締結の要請に柔軟に対応します。
  • 情報セキュリティ認証の取得
    • ISMS認証 (ISO/IEC 27001): 情報セキュリティ管理体制が国際基準に基づいている証。
    • プライバシーマーク (Pマーク): 個人情報の適切な取り扱いに関する認証。
    • PCホスピタルなどは、これらの認証を取得し、厳格なセキュリティ管理を徹底しています。
  • データ消去の徹底と証明書発行
    • レンタルPCの返却後や廃棄時、修理後のデータ処理において、完全なデータ消去が行われ、「データ消去証明書」を発行できるか確認しましょう。
  • 物理的セキュリティ(クリーンルーム等)
    • HDDの物理障害など、高度な復旧作業を行う業者は、入退室管理や監視体制、ホコリを遮断する「クリーンルーム設備」を保有していることが望ましいです。

💡 法人PC保守は「デジタル保険 + 専門ヘルプデスク」

法人用PCの修理を依頼し、保守契約を結ぶことは、企業にとっての「デジタル保険と専門ヘルプデスクの一括契約」に例えられます。

突発的な故障という「事故」が発生した場合、保守契約は費用の青天井を防ぎ(コストの予算化)、代替機を提供し(業務の即時継続)、そして機密情報という「企業の最重要資産」を厳重な金庫(NDA、Pマーク、クリーンルーム)で守りながら修理してもらうための、包括的な備えとなるのです。

参考情報:法人向けサービス提供業者

サービス内容や契約条件は変更される可能性があるため、必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。

まとめ:法人のPC修理は「BCP」と「セキュリティ」が鍵

この記事では、法人がビジネス用パソコンの修理を依頼する際の重要ポイントについて解説しました。

  • 保守契約のメリット:

    最大のメリットは「代替機の提供」による業務継続性の確保と、「コストの予算化」です。IT部門の負担も軽減します。

  • 契約時の確認点:

    「保守対象の範囲」「対応時間」「料金体系」そして「秘密保持条項(NDA)」を必ず契約書で明確にしましょう。

  • 支払い方法:

    経理処理のために「請求書払い(掛け払い)」に対応しているか事前に確認が必要です。

  • 最重要:機密情報保護:

    業者が「ISMS認証」や「Pマーク」を取得しているか、NDAを締結可能かを確認することが、情報漏洩リスクから企業を守るために不可欠です。

単なる修理コストの比較だけでなく、業務停止による機会損失や、情報漏洩時の損害という「見えないコスト」を考慮し、信頼できるパートナーとしての修理・保守業者を選定することが重要です。

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