パソコンから異音「カチカチ」「ブーン」が!原因と修理料金の相場を解説 「パソコンから急に『カチカチ』という音が聞こえる...」 「ファンの音が『ブーン』とうるさくなった」 「変な音がするけど、このまま使い続けて大丈夫?」 パソコンから普段と…
PCが起動しない!データだけ取り出す方法と論理・物理障害の見分け方
「パソコンが起動しなくなった…でも、中のデータだけはどうしても取り出したい!」
パソコン本体が故障しても、データを保存しているストレージ(HDDやSSD)が無事であれば、データを取り出せる可能性は十分にあります。
しかし、故障の原因を正しく見極めずに対処すると、データを完全に失う最悪の事態を招きかねません。この記事では、故障したパソコンからデータを取り出すための正しい手順、障害の見分け方、そして依頼すべき業者の違いと料金相場を詳しく解説します。
💡 物理障害のDIY復旧は「手術室以外での手術」
HDDのデータ復旧は、精密機器の塊です。特に「カチカチ」と異音がする物理障害は、内部の部品が破損している状態です。これを自力で分解・復旧しようとするのは、ホコリだらけの部屋で、専門知識なしに外科手術を試みるようなものです。
データを確実に救出するには、クリーンルームなどの専門設備と技術が必要不可欠です。データを失うリスクを避けるためにも、まずはこの記事で「障害の種類の見極め方」を学んでください。
1.【最重要】まずは診断:論理障害 vs 物理障害の見分け方
データ復旧の成否は、最初の手順を間違えないかにかかっています。まずは「通電していい故障」か「絶対に通電してはいけない故障」かを見極めましょう。
素人での正確な診断は難しいですが、以下の症状が大きな判断材料となります。
① 論理障害(データ破損)
状態: HDD/SSD本体は物理的に壊れていないが、中のデータや管理ファイルが破損している状態。
原因: 誤操作による削除・フォーマット、ウイルス感染、OSの不具合、強制終了など。
主な症状:
- OSが起動しない
- ブルースクリーンが表示される
- 「フォーマットする必要があります」と表示される
- ファイルやフォルダが消えた
② 物理障害(ハードウェア破損)
状態: HDD/SSD本体が物理的に破損している状態。最も危険です。
原因: 落下、衝撃、水没、経年劣化(HDDの寿命は3~5年目安)など。
主な症状:
- 「カチカチ」「カタカタ」などの異音がする
- 「ガリガリ」と何かが擦れる音がする
- 焦げ臭いにおいがする
- PCに認識されない(BIOSにも表示されない)
⚠️ 物理障害(特に異音・異臭)の絶対NG行動
「カチカチ」などの異音・異臭がした場合、それはHDDの「最後の悲鳴」です。
この状態で通電を続ける(電源を入れる)ことは、データを記録している円盤(プラッタ)に傷を広げているのと同じであり、データ復旧をさらに困難にし、最終的には復旧不可能にしてしまいます。
ただちに電源を切り、専門業者に相談してください。
2. データを取り出す方法
障害のレベルに応じて、取るべき方法が異なります。
A. 自分でHDD/SSDを取り出す手順(軽度の論理障害・PC本体故障時)
「PC本体は壊れたが、HDD/SSDは無事」「軽度の論理障害で、データ復旧ソフトを試したい」場合に有効な方法です。
必要なもの
- プラスドライバー(PCのネジに合うもの)
- USB接続変換アダプタ または USB外付けHDDケース
- 正常に起動する別のPC
(静電気対策のため、金属に触れて放電しておきましょう)
(ドライバーでネジを外し、慎重に取り外します)
(取り出したHDD/SSDをアダプタ等に装着します)
(外付けドライブとして認識されるか確認します)
(認識されれば、エクスプローラーで必要なデータを救出します)
⚠️ 自力復旧のリスクと限界
- 物理障害の場合は絶対NG: 上記の手順は、HDD/SSDが物理的に無事であることが大前提です。異音がするHDDでこれを行うと、状態が悪化します。
- 保証の無効化: PCを分解した時点で、メーカー保証が受けられなくなる可能性があります。
- データ復元ソフトの限界: 「ファイナルデータ」や「Recuva」などの復元ソフトが対応できるのは軽度の論理障害のみです。重度の障害に使うと、通電によって症状を悪化させる危険性があります。
B. 専門業者に依頼する(物理障害・重度の論理障害時)
異音がする、水没した、自力で認識しないなど、物理障害が疑われる場合は、専門業者に依頼するのが唯一の安全な道です。
3. どこに頼む?データ復旧専門業者 vs パソコン修理業者の違い
「データを取り出したい」場合、依頼先を間違えるとデータが消えてしまうリスクがあります。
① データ復旧専門業者
目的: データの復旧・救出(PCが直るかは問わない)
技術: 論理障害・物理障害の両方に対応。クリーンルームなどの専門設備を持つ。
例: デジタルデータリカバリーなど。
特徴: 14年連続売上No.1、累計46万件以上の相談実績など、データ救出に特化している。
② パソコン修理業者
目的: パソコンを正常に起動させること(修理)
技術: PCの部品交換やOS修復。データ救出に対応している場合もある。
例: PCホスピタルなど。
リスク: 修理の過程でHDD/SSDの交換や初期化が行われると、データは失われる。
③ メーカー
目的: パソコンの修理(部品交換)
技術: メーカー純正部品での修理。
リスク: 修理過程でデータが初期化される可能性が非常に高い。
結論:
データが何よりも重要で、物理障害の疑いがあるなら「①データ復旧専門業者」一択です。
PC本体が故障したがHDDは無事で、PCも直したい場合は「②パソコン修理業者」に「データを保護したまま修理可能か」相談しましょう。
4. データ復旧・救出の料金相場
料金は、障害のレベルと依頼先によって大きく異なります。
A. パソコン修理業者の料金目安(HDD/SSDに異常がない場合)
HDD/SSDが物理的に壊れておらず、PC本体の故障や軽度の論理障害の場合の相場です。
- データバックアップ(HDD異常なし): 8,800円~
- データ救出(HDD異常なし): 15,000円 ~ 25,300円
(例:PCホスピタル 25,300円) - 軽度論理障害復旧: 22,000円 ~ 33,000円
(例:PCホスピタル 22,000円~)
B. データ復旧専門業者の料金相場(障害レベル別)
物理障害や重度の論理障害に対応するため、高額になる傾向があります。多くの業者が相談・診断・見積もりは無料です。
- 論理障害(軽度): 30,000円 ~ 60,000円
(例:パソコンドック24 障害レベルⅠ 31,900円) - 物理障害(軽度): 70,000円 ~ 100,000円
(例:ドスパラ 軽度障害 38,500円 ※別途見積もり料金あり) - 物理障害(重度): 200,000円 ~ 600,000円(またはそれ以上)
(水濡れや異音・異臭が発生し、クリーンルームでの高度な作業が必要な場合)
(例:ドスパラ 重度障害 154,000円)
⚠️ 高額請求とセカンドオピニオン
他社での見積もりが10万円以上で高額だと感じた場合、セカンドオピニオンとして他の専門業者に相談することが推奨されます。他社で「重度の物理故障」と高額診断されたものが、実際は軽度故障で19,800円(税込・持込時)のみで済んだ事例もあります。
まとめ:データを守る鍵は「障害の見極め」と「通電しない勇気」
故障したパソコンからデータを取り出す方法について解説しました。
- 最優先事項:
まず「論理障害」か「物理障害」かを見極める。「カチカチ」などの異音や異臭は物理障害のサイン。
- 物理障害の鉄則:
ただちに電源を切り、絶対に通電しない。自力での復旧は試みず、データ復旧専門業者に相談する。
- 論理障害の対処:
軽度であれば、HDD/SSDを取り出して別のPCに接続(自力)するか、データ復元ソフトを試す余地がある。ただし、悪化のリスクも伴う。
- 業者の選択:
「データ」が目的ならデータ復旧専門業者、「PCを直す」のが目的ならパソコン修理業者を選ぶ。(メーカー修理はデータが消える可能性大)
- 料金相場:
簡単な救出なら1万円台から、重度の物理障害(異音など)は20万円以上かかることも珍しくない。
データを失う最悪の事態を避けるためにも、異変を感じたら操作を止め、実績豊富な専門業者に相談することが最も確実な道です。








