夏場のパソコン熱暴走を防ぐ方法は?室温管理・冷却グッズ・修理費用を解説
- 公開日:2025/11/9
- 最終更新日:
- パソコン修理
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高温多湿な日本の夏は、パソコンにとって非常に過酷な環境です。実は、春から夏にかけてのPC不調の7割は熱が原因であるとされています。
熱暴走は、大切なデータの消失や高額な修理費用(45,000円~65,000円)が発生するリスクを高めるため、予防が極めて重要です。この記事では、夏場にパソコンが熱暴走で故障しやすい理由、室温管理、冷却グッズ、ファン清掃のタイミング、熱による故障の修理費用、夏前の点検の重要性を詳しく解説します。
この記事を読めば、熱暴走を未然に防ぐための具体的な対策と、万が一故障した場合の費用がわかり、安心して夏を迎えることができます。
この記事で分かること
- パソコンが熱暴走で故障しやすい3つの原因
- 適正な室温管理(25~28℃)と設置環境の見直し
- ファン清掃のタイミングと正しい方法
- おすすめの冷却グッズ(3,000円~)
- 熱による故障の修理費用(マザーボード26,400円~、CPU45,000円~)
- やってはいけない冷却方法
⚠️ 熱暴走の深刻なリスク
熱暴走を放置すると、データが破損・消失したり、高熱により内部の部品が溶けて焦げた臭いがしたり、発火やバッテリーの爆発など、火災につながる危険性があります。軽度な症状(ファンの回転音が大きくなった、動作が重くなった)が現れたら、それはパソコンからの危険信号です。
パソコンが熱暴走で故障しやすい理由
パソコン内部の温度が異常に高くなることで、正常な動作ができなくなる状態が「熱暴走」です。熱暴走は、CPUの判断で熱によるダメージを避けるために動作が停止する現象です。
💡 熱暴走は「エンジンのオーバーヒート」
パソコンの熱暴走は、車のエンジンがオーバーヒートするのと似ています。エンジンが高温になりすぎると、エンジンオイルが劣化し、ピストンやシリンダーが損傷して、最悪の場合エンジンが完全に停止します。パソコンも同じで、CPUやマザーボードが高温に晒され続けると、部品が劣化・破損し、最終的にはパソコンが起動しなくなります。
熱暴走が夏場に多発する3つの原因
1. 室温環境の変化と高温
パソコンは周囲の空気で冷却される設計であり、多くのメーカーは室温10~35℃までが適正な温度範囲であるとしています。しかし、夏場は気温が上がりやすく、エアコンを使っていない部屋では室温が30℃を超えることも珍しくありません。
室温が35℃に近づくと、パソコン内部の温度は80℃~100℃に達することもあります。
2. 冷却システムの性能限界とホコリの蓄積
💡 ホコリは「エアコンのフィルター詰まり」
パソコン内部のホコリは、エアコンのフィルターが詰まった状態に似ています。エアコンのフィルターにホコリが溜まると、冷気の流れが悪くなり、冷房効率が大幅に低下します。パソコンも同じで、冷却ファンやヒートシンクにホコリが溜まると、断熱材のように熱を閉じ込めてしまい、冷却性能が大きく低下します。
パソコン内部の冷却ファンやヒートシンクにホコリが溜まると、断熱材のように熱を閉じ込めてしまい、冷却性能が大きく低下します。ホコリの蓄積は、ファンの回転を妨げ、軸受けの摩耗やファン自体の故障につながり、結果として排熱が追いつかなくなります。
3. 高負荷な使用と湿気
CPUやGPUなどの熱源は電力を多く消費するため熱くなりやすいですが、夏場に高負荷な作業を頻繁に行うと冷却が追いつかなくなることがあります。また、日本の夏は高温多湿であり、たまったホコリが湿気を吸って泥状になることもあり、腐食や結露のリスクを高めます。
熱暴走を防ぐための予防策
熱暴走を防ぐためには、「春からの準備」(夏前の点検)と「環境の整備」が鍵となります。
1. 室温管理と設置環境の見直し
適正な室温管理
パソコンを使用する際の適正な室温は25~28℃に設定した方が良いとされています。室温を下げることが最も有効な熱暴走対策となります。冷房が苦手な場合でも、せめて除湿だけでも行うべきです。
直射日光の回避
直射日光が当たる場所や、夏場に温度が上がりやすい窓際を避けることが無難です。屋外や自動車内など高温になる場所に長時間放置するのは危険です。
通気性の確保
パソコンの周囲に最低10cm以上のスペースを空けるだけでも、熱がたまりにくくなります。壁や家具にぴったりくっつけず、排気口や吸気口が塞がれないように風通しを確保しましょう。
ノートPCの場合、カーペットや布など通気性の悪い素材の上で使用すると吸気口が塞がれてしまうため、平らで硬い机の上に置くべきです。
室温・設置環境チェックリスト
- 室温を25~28℃に保っているか
- 直射日光が当たらない場所に設置しているか
- パソコンの周囲に10cm以上のスペースがあるか
- 排気口や吸気口が塞がれていないか
- ノートPCを布や柔らかい素材の上で使用していないか
2. 定期的なファン清掃のタイミングと方法
冷却効果を維持し効率よくするためには、定期的なクリーニングとメンテナンスが不可欠です。
清掃のタイミング(頻度)
清掃頻度は使用環境により異なりますが、以下が目安です。
| 使用環境 | 清掃頻度 |
|---|---|
| 床置き・ペットあり・高温環境 | 3~4ヶ月ごと |
| ゲーミングPCなどの高負荷運用 | 2~3ヶ月ごと |
| デスク上やエアコン完備の環境 | 半年から年1回程度 |
ドスパラの事例では、パソコン内部のクリーニング(基本清掃コース)で、冷却ファンに詰まったホコリを除去し、異音が無くなったケースがあります。
清掃方法の注意点
清掃にはエアダスターを使用し、ファン周りや通気口のホコリを吹き飛ばします。ただし、分解せずに外からエアダスターを吹きかけると、逆にホコリを内部に押し込み故障の原因になるため、分解して清掃することが推奨されています。
⚠️ 清掃時の注意点
- 掃除機を直接当てない(静電気で部品破損のリスク)
- ファンを空転させない(軸受けを損傷する危険)
- 分解せずに外からエアダスターを吹きかけない(ホコリを内部に押し込む)
内部メンテナンス(プロ推奨)
長期間使用しているPCでは、CPUグリスの乾燥も放熱不良の大きな原因です。プロによる内部清掃では、ヒートシンク内部のホコリ除去に加え、サーマルグリス(熱伝導材)の再塗布が推奨されています。
3. 冷却グッズの活用
ノートPCでは、底面からの排熱がうまくいかないことが多いため、冷却グッズの活用が効果的です。
ノートPC用冷却台
冷却ファンやヒートシンクが内蔵されており、底面から熱を放散する機能を持つものが多く、わずか3,000円程度の冷却台で10℃の温度低下を実現する例も紹介されています。
冷却台を使用する際は、下に5㎜ほどの隙間を作り、冷却効果を大きくすることがポイントです。
アルミ素材の冷却台
熱伝導性に優れており、放熱効果が高いアルミ素材の冷却台も推奨されています。
冷却パッド
特殊な熱の伝導素材を採用したものも増えており、モバイル・外出先利用にも適しています。
ノートPC用冷却台
価格: 3,000円程度~
効果: 10℃の温度低下
特徴: 冷却ファン内蔵、底面から放熱
おすすめ: 自宅・オフィスでの固定利用
アルミ素材の冷却台・冷却パッド
価格: 1,000円~3,000円程度
効果: 熱伝導性に優れる
特徴: 軽量、電源不要
おすすめ: モバイル・外出先利用
4. やってはいけない冷却方法
間違った冷却方法は、逆に故障を招くリスクがあります。
保冷剤や濡れタオルでの冷却(NG)
氷や保冷剤を直接PC本体に当てて冷やすのはNGです。激しい温度差が生じることで内部で結露ができ、水没やショートとみなされ故障の原因となるためです。
また、保冷剤を吸気口の近くに置くと、吸気口が塞がれてしまい、熱を外部へと送ることができなくなります。
扇風機による直接送風(効果なし)
鉄やプラスチックといった無機物には風による冷却方法は効果がないのが実情であり、扇風機を当てても意味がないとされています。
ただし、モバイルタイプの扇風機などを給気口近くに置いて送風することは、風量を増すため効果的であるという情報もあります。
⚠️ やってはいけない冷却方法
- 保冷剤や氷を直接PC本体に当てる(結露→ショートのリスク)
- 濡れタオルで冷やす(水没のリスク)
- 扇風機を直接当てる(無機物には効果なし)
- 保冷剤を吸気口の近くに置く(吸気口が塞がれる)
熱による故障の修理費用
熱暴走を放置し、CPUやマザーボードといった主要パーツに深刻なダメージが蓄積した場合、高額な修理費用が発生します。
| 故障部品 | 修理費用目安(専門業者) | 修理費用目安(メーカー) |
|---|---|---|
| マザーボード | 26,400円~ / 50,000円~60,000円 | 51,700円~75,000円程度 |
| CPU | 45,000円~65,000円 / 45,900円~ | 65,124円~ |
| 冷却ファン交換 | 15,000円~22,800円 / 17,300円~23,000円 / 5,500円~13,200円(作業費のみ) | 17,280円~19,800円 |
| 内部クリーニング | 2,200円~14,000円程度(分解レベルや業者による)/ 5,500円(PCホスピタル作業料金目安) | — |
特にCPUやマザーボードの修理には4万~6万円かかることが多く、メーカー修理ではさらに高額になる傾向があります。
夏前の点検の重要性
熱暴走が重度な症状(突然の電源落ち、再起動、ブルースクリーンなど)となってからでは、修理不可能な状態に陥るリスクが高く、データ消失にもつながります。
予防は最高のコスト削減策
CPUやマザーボードの修理に数万円かかるのに対し、冷却台の導入は3,000円程度で済み、予防メンテナンス(清掃やグリス再塗布)はパーツの負荷を減らしトラブルを激減させることができます。
CPU周辺の温度が10℃下がると、コンデンサの寿命が1.5倍になるという検証データもあります。
予防コスト
- 冷却台:3,000円程度
- 内部クリーニング:2,200円~14,000円
- グリス再塗布:含まれることが多い
合計:5,000円~17,000円程度
故障後の修理コスト
- 冷却ファン交換:15,000円~23,000円
- マザーボード交換:26,400円~75,000円
- CPU交換:45,000円~65,000円
合計:45,000円~75,000円程度
春からの対策の推奨
多くの人が「夏になってから対策すればいい」と考えがちですが、それでは手遅れになるリスクが高まります。春の段階で適切な冷却対策を講じることで、夏の熱暴走を予防できるとされています。
点検のサイン
春から夏にかけて「ファンの回転音が以前より大きくなった」、「動作が若干重くなった感じがする」といった軽度な症状が現れたら、それはパソコンからの危険信号(SOS)であり、早めの点検・メンテナンスを検討すべきです。
夏前の点検チェックリスト
- ファンの回転音は正常か(異音がないか)
- 動作速度は通常通りか(重くなっていないか)
- パソコン本体が異常に熱くなっていないか
- 最後にファン清掃をしたのはいつか
- 冷却グッズ(冷却台等)を使用しているか
- 室温管理(25~28℃)ができているか
- 設置環境(10cm以上のスペース確保)は適切か
まとめ:夏のパソコン熱暴走は予防が鍵
この記事では、夏場にパソコンが熱暴走で故障しやすい理由、室温管理、冷却グッズ、ファン清掃のタイミング、熱による故障の修理費用、夏前の点検の重要性を解説しました。
- 熱暴走の原因: 室温環境の変化(室温35℃でPC内部80℃~100℃)、ホコリの蓄積(冷却性能低下)、高負荷な使用と湿気。
春から夏にかけてのPC不調の7割は熱が原因。
- 予防策: 適正室温管理(25~28℃)、通気性の確保(10cm以上のスペース)、定期的なファン清掃(3~4ヶ月ごと)、冷却グッズの活用(3,000円程度で10℃低下)。
やってはいけない対策:保冷剤での冷却(結露→ショート)、扇風機の直接送風(効果なし)。
- 修理費用: マザーボード26,400円~75,000円、CPU45,000円~65,000円、冷却ファン15,000円~23,000円。
予防コスト(5,000円~17,000円)と比較すると、予防の方が圧倒的に安い。
- 夏前の点検: 春から対策を開始。ファンの異音や動作の重さは危険信号。CPU周辺の温度が10℃下がると、コンデンサの寿命が1.5倍に。
予防策は、パソコンの故障を防ぐだけでなく、パーツの負荷が減りトラブルが激減し、結果的に快適で生産性の高いデジタルライフを実現します。多くの人が「夏になってから対策すればいい」と考えがちですが、それでは手遅れになるリスクが高まります。今すぐ春の段階で適切な冷却対策を講じましょう。

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