「パソコンの電源が入らない…」「動作が異常に遅くてフリーズする…」 パソコンが故障した時、誰もが直面するのが「修理して使い続けるべきか、いっそ新品に買い替えるべきか」という大きな悩みです。 修理費用が高額になったり、修理してもすぐに別の場所…
【Win Update失敗】PCが起動しない!自力修復と修理料金相場
「Windows Updateを実行したら、パソコンが起動しなくなった…」
これは、システムファイルや設定の破損(論理障害)が原因で発生することが多い、非常に焦るトラブルです。しかし、慌てて初期化(リカバリー)を選ぶと、大切なデータをすべて失うことになりかねません。
この記事では、Windows Updateの失敗で起動しなくなったパソコンを、データを守りつつ修復する方法、自力での修復が危険な症状、修理業者に依頼した場合の料金相場まで、段階的に詳しく解説します。
この記事でわかること:
- データを消さずに試せる自力修復の手順
- 「システムの復元」と「回復ドライブ」の使い方
- 初期化(リカバリー)の前に試すべきこと
- すぐに電源を切るべき危険な症状(物理障害)
- 修理業者に依頼した場合の料金相場
1. 自力で試す修復方法(回復環境からのアプローチ)
Windowsが正常に起動しない場合でも、多くの場合「自動修復」機能が働き、修復用の特別メニュー(回復環境)に入ることができます。まずはここから、データを保持したままの修復を試みます。
回復環境(自動修復)への入り方
多くの場合、以下の方法で「自動修復」画面にアクセスできます。
- パソコンの電源を入れます。
- Windowsロゴが表示されたら、電源ボタンを長押しして強制的に電源を切ります。
- この「電源ON → 強制OFF」を3回ほど繰り返します。
- 「自動修復を準備しています」という画面が表示され、その後「自動修復」または「回復」という青い画面(回復環境)が表示されます。
※事前に作成した「回復ドライブ」(USBメモリ)がある場合は、それを使って起動することでも同じ回復環境に入れます。
回復環境で試すべき修復手順
「自動修復」画面が表示されたら、「詳細オプション」を選択し、「トラブルシューティング」へ進みます。そこで試すべき手順は以下の通りです。
(「詳細オプション」→「スタートアップ修復」を選択。システムファイルの軽微な破損を自動で修復します)
(「詳細オプション」→「更新プログラムのアンインストール」。Updateが原因であることが明らかな場合に有効です)
(「詳細オプション」→「システムの復元」。Update前の正常な状態にシステムを巻き戻します)
(「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」→「4」または「F4」キー。セーフモードで起動できたら、高速スタートアップを無効化するなどの対処を試みる)
💡 「システムの復元」は“PCの時間を巻き戻す”機能
「システムの復元」は、PCのシステム設定を、正常に動作していた過去の時点(復元ポイント)に戻す機能です。Windows Updateが自動で復元ポイントを作成していることが多いため、これを試す価値は非常に高いです。
特徴:
- データは消えない: 作成したWordやExcelファイル、写真などは消えません。
- 設定が戻る: OSやアプリケーションの設定、復元ポイント以降にインストールしたソフトは消える(または元に戻る)可能性があります。
データを失うことなく、Updateによる不具合を解消できる可能性が最も高い方法の一つです。
最後の手段:リカバリー(初期化)
上記の方法をすべて試しても改善しない場合、「リカバリー(初期化)」を行うことで工場出荷時の状態に戻せば、起動する可能性は高いです。しかし、この操作は自分で保存したデータや設定がすべて消えてしまうため、トラブルを解決できない場合の最後の手段としてください。
2. 修理業者に依頼すべき危険な症状
Update失敗に見えても、根本的な原因がハードウェア(物理障害)にある場合や、データを確実に守りたい場合は、自力での操作を中止し、専門業者に相談すべきです。
⚠️ これらの症状が出たら、すぐに電源OFF!
以下の症状が出ている場合、通電(電源を入れる)を繰り返すだけで状態が悪化し、データ復旧が不可能になる危険性があります。すぐに電源を切ってください。
- 「カチカチ」「カタカタ」「ジージー」といった異音がする
→ HDD(ハードディスク)の物理障害の可能性が非常に高いです。
プロに依頼すべき判断基準
- 大切なデータがあり、初期化のリスクを絶対に避けたい
→ OSの不具合でも、安易な操作はデータ消失につながります。プロに任せるのが最も安全です。 - BitLocker回復キーの入力を求められ、キーが不明
→ Updateに関連してこの症状が増えています。キーが不明な場合、自力での復旧は困難です。 - 修復作業自体が進行しない
→ 「自動修復を準備しています」の画面から長時間進まない場合、BIOSレベルやハードウェアの故障が疑われます。 - すべての自力対処法を試しても改善しない
→ メモリの抜き差しや放電などを行っても改善しない場合、マザーボードや電源ユニットの故障が考えられます。
3. 修理料金の相場(Windows起動トラブル)
Update失敗による起動トラブルの修理費用は、原因がシステム側(論理障害)か、ハードウェア側(物理障害)かによって大きく異なります。
1. システム修復・起動修復(データ保持を目指す場合)
HDD/SSDに物理的な故障がなく、OSの修復で起動できる場合の相場です。
① 起動修復(データ保持)
内容: 初期化せず、システム要因で起動しない状態を修復。
料金目安: 19,000円 ~ 33,000円
(例:パソコンドック24 14,300円~)
② OSリカバリー(初期化)
内容: 購入時の状態に戻す(データ消去)。
料金目安: 11,000円 ~ 22,000円
(例:PCレスキュー 13,200円~)
2. データ復旧を伴う場合(障害が発生している場合)
Updateの失敗がHDD/SSDの故障を誘発した(または元々故障しかけていた)場合、データ復旧が必要となり、費用は高額になります。
- データ復旧(軽度論理障害): 25,000円 ~ 40,000円
(ファイルの誤削除や軽度のシステムエラー。例:PCホスピタル 25,000円~) - 起動しないPCからのデータ復旧(作業のみ): 45,000円(2TBまで)
(PCが故障したままでも、データだけを救出するサービス。例:オレンジセキュアサービス) - 重度物理障害(異音・落下など): 100,000円以上
(クリーンルームなど専門設備が必要なため、高額になります。データ復旧専門業者の領域です)
注:多くの修理業者は、作業前に必ず見積もりを提示します。正確な料金は、パソコンを診断してもらった後の見積書で必ず確認してください。
参考情報:修理・データ復旧業者
まとめ:Update失敗は「復元」を試す。異音がしたら「即電源OFF」
Windows Updateの失敗でPCが起動しなくなると非常に焦りますが、取るべき行動は決まっています。
- まず試すこと:
「自動修復」メニュー(強制終了3回)から、「スタートアップ修復」「更新プログラムのアンインストール」そして「システムの復元」を試す。これらはデータを失わずに修復できる可能性があります。
- 危険なサイン:
「カチカチ」「ジージー」などの異音が聞こえたら、それはHDDの物理障害です。ただちに電源を切り、通電しないでください。通電を続けるとデータが完全に失われます。
- 業者の選択:
データが最優先の場合、安易に「初期化」を選ばず、データ復旧に対応した専門業者に相談しましょう。
大切なデータを守るためにも、症状を冷静に見極め、適切な対処を選択してください。








